2010年11月25日木曜日

石橋湛山記念財団『自由思想』第120号

  頂戴しました。どうもありがとうございます。今号の特集は「石橋湛山賞」。若田部先生の石橋湛山賞受賞記念講演の模様と叶芳和、宮崎勇、相田雪雄各氏による受賞作の講評、そして田中先生による「若田部昌澄さんの人と仕事」が収められており、こちらも興味深く拝読させていただきました。詳細な内容については是非お読み頂ければと思いますが、おめでとうございます。

 非常にかいつまんで書いてみますと、若田部先生の石橋湛山賞受賞記念講演は、大不況から現代に至る長い歴史の中で経済危機のエピソードを早がけで見せるという受賞作『危機の経済政策』のコンセプトや、管理された実験が出来ないからこそ歴史に学ぶという視点、更に、石橋湛山とは何者かという点や湛山ならば危機にどう立ち向かうのかという話を現代の状況と大恐慌当時との類似性に着目しつつ論じるというものです。なお、講演の模様は経済倶楽部の講演録にも掲載されています。

 田中先生による若田部先生の人と仕事に関する解説文では、経済理論における「知識」の役割、つまり「知識」が経済発展にどうかかわるのかという視点に基づくジョン・レーの再解釈という若田部先生の研究者としての原点とも言える業績が最初に紹介されます。
 更にこの「知識」の視点が実際の経済論戦に加わることで深められ、『経済政策形成の研究』におけるアイディア・トラップ、なだれ現象といった、知識が意思決定に及ぼす影響についての考察、そして受賞作『危機の経済政策』や『「日銀デフレ」大不況』といった著作で指摘される、悪しき知識が日本の経済成長を内生的な形で阻害していくメカニズムの解明に繋がっていくという解説は興味深く読みました。最後に語られる話も若田部先生への思いが吐露されていて読んでいる人間もうれしくなる文章ですね。

 自由思想を頂戴したのは、原田泰さんが石橋湛山賞を受賞された時以来です。目玉でもある「論壇季評」の出席者各氏の丁々発止なやりとりは変わらず、読んでいて小気味良く面白い。勿論内容については言いたいことがあるのだが・・・無粋なので止めておきましょう。余談ながら一言。拙著を各氏が話題にされたらどんな評価になるのだろうか、そんな本を書きたいと思いますね。

『自由思想』のバックナンバー及び石橋湛山記念財団についてはこちら(http://www.ishibashi-mf.org/bulletin/index.html)をご参照ください。

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