まずは飯田さんの書籍。ご恵投頂きありがとうございました。既に事務家稼業さんの書評がありますので屋上屋を重ねるのは無粋な話ではありますが、飯田節全開の良書です。なぜ経済政策が必要なのかという目的を幸福と絡めて論じつつ、手段としての「政策の三本柱」足る成長政策、安定化政策、所得再分配政策について論じていくというスタイルは極めて王道だと思います。経済政策に関する議論の混迷の大部分は(プロもアマも含めて)この種の混乱から生じる所が大でしょう。コンパクトに必要な知識を短期間で得ることができる、まさに新書の醍醐味だと感じました。
個別の話題にもっと深入りしたい方は、著者があとがきで語るように『ゼミナール経済政策入門』に進まれれば良いでしょう。海外の政策事例との比較に基づいて考えたい方は個別の本に当たられれば良いでしょう。この本が訴えているのは、個別具体的な政策の話を考える時の骨組みの重要性とその理論であって、枝葉ではないということに目配りすべきだと感じます。
次の本は日本経済新聞社編の『政権』。2009年の8月30日の政権交代が遠い過去のように感じる昨今の情勢ですが、本書は日経新聞で連載されていた「政権」を書籍化したもの。
政治家が何を見ていたのか、政局の動き、日々生じる現象といった点をざっと振り返り、個別事象を深堀するきっかけという意味でも良い本ですね。
http://www.amazon.co.jp /dp/4532354439
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