オーケー。皆も知ってるよね。本日のポール・クルーグマン米プリンストン大学教授のNTのエントリ(Just Call Him Bernanke-sama)では、アメリカの物価の動きを90年代の日本のそれとなぞらえて、アメリカが日本のような状況になるのではと論じていることを。
でもね、僕は言いたい。クルーグマンさん、あなたの見解は甘すぎる。金融政策の孤独なフロントランナー、あのShirakawa-samaを擁する日本では、あなたの国よりも、そして90年代の日本よりも更に深刻な事態が生じているんだよ。
以下の図表を見てほしいんだ。これは、大恐慌時点のアメリカの物価の動きと、現代のアメリカの物価の動き、そして日本の物価の動きを比較したものだ。そして単に比較するだけでは面白くないから少し仕掛けを考えた。そう、大恐慌時点のグラフは、アメリカがあの忌まわしい金本位制から離脱して本格的な金融緩和に乗り出した時期-1933年6月-から量的緩和が成果を挙げた1937年12月までの時期を対象としている。そして、現代のアメリカと日本のグラフは、リーマン・ショック以降、アメリカを含む中央銀行が必死に大規模な緩和を乗り出した時期-2008年9月以降-の物価の動きをみているというわけだ。
これで何がわかるだろうか。まずアメリカの物価の動きは、大恐慌の時と同じくらいか、若干良いということだ。もちろん、物価変動が大きかった大恐慌とデフレ懸念はあっても未だマイルドなインフレが続く現状とを比較考量すれば、これを持ってアメリカは安心だと言えないだろう。大恐慌並みだという見方に立てば、この感じだと暗黙に目標としている物価の伸びに復帰するためには後数年かかりそうという見方も成り立つかもしれない。
でも他の2つとは明らかに異質な動きをしている緑色のラインが見えるだろうか? そう、これがリーマン・ショック後の日本なんだ。さすがにヤバいと思ったのか、Shirakawa-samaも遅ればせながら金融緩和に踏み切ったけど、よく言って見掛け倒しの緩和だし、経済学者の中には今の現状が日本の実力を示しているという言いだす人もいる始末。困ったものだね。
今を生きる日本人として言わせてもらえば、Bernanke-samaはまだまだマシだし、大恐慌に匹敵するショックの中で10年前の日本と比較できるアメリカはまだマシなんだよ。アメリカが早く回復してくれることを切に祈っているし、事実弾薬庫の弾を派手にぶっ放す用意もあるように思うけどね。
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